沖縄・名護/Cookhal(クックハル)にて『Totto’s night』を開催しました。
2020年11月25日、Tottoの初イベントを開催しました。
開催日が決定してから当日まで何度も何度も話し合いを重ね、材料と道具の調達に走り回り…
とにかく他にもいろいろあったんだけど、それでも強力なサポートメンバーの方々のお陰で無事にイベントを終えることができました。
今回はそのイベントの舞台裏、主に食材に関しての記録を。
沖縄・名護/『Totto’s night』 @cookhalで使用したやんばる野菜と天然食材のこと。
そもそも、今回『Totto’s night 』と題して企画を発案してくださったのがやんばる野菜の作り手である芳野さん。
料理担当Sが、「食材のことをもっと知りたい!」と芳野さんの畑に通い始めたのがきっかけで交流が始まりました。
沖縄の飲食名店界隈でももちろん、芳野さんが手がける野菜への評判は高くって人気があります。
その理由って単純明快で「美味しい」から。
って、そう書くのは簡単なんだけど、でも実際は美味しい野菜をつくる為には、その着地点を熟知していないといけないわけです。
そういう点においても芳野さんは、それぞれの的確なサイズだったり種類にあった育て方を、誠実に確実に実践されている畑人です。
で、そんな芳野さんは名護のアグリパーク内にあるCookhalも手掛けていることも既に周知されていることですが、今回のイベント会場はそちらを貸していただけることとなりました。
なので、Totto’night は「芳野野菜」をたっぷり使用したメニュー構成としました。
そうそう。
当日は天然素材も使用しました、主に3つ。
まず、メインで使用した琉球猪。
琉球猪は、害獣駆除の対象にもなっているのですが、なかなかこれを食材として扱う料理人はまだ少ないそうです。
猟師さんにお願いして1頭用意してもらいました。
23キロくらいかな。
現在の猟は、トラップを仕掛けて足をガッチャンしてから銃で仕留める方法が主流とのことですが、そんな中でも腕のいい猟師さんだとトラップなしで、山のなかで直接狙う方もいるそうです。
今回の猟師さんは後者の方。
この方法で仕留められた琉球猪は、リラックスした状態で一瞬にして絶命するので暴れることもなく、肉質もいい状態を保てるとのこと。
それに加えて、実際にそれが手元に届いてみると、すごく丁寧に処置されていることも一目で分かり、猟師さんの琉球猪に対するリスペクトみたいなモノも感じることもできました。
当日は、このお肉を1日かけて火をいれて提供しました。
そして、こちらはコースの締めのリゾットにつかったやまとしじみです。
実際に自分達の手で調達したのですが、限りある資源というのを理解しながら、まだ小さいモノはリリース。
欲張らず必要最小限だけを頂きました。
リゾットは、このしじみのお出汁のみを軸としているので滋味深い味わいとなっています。
それからすっぽん。
こちらはSの出身地うるま市で取った天然のすっぽん。
すっぽんはこれからの時期、冬眠に入るようで時期的には確保できるギリギリでした。
実は5,6回罠を仕掛けて(1週間くらい現地に足を運んで)取れたのはこの一匹のみだったんだけど、それでも十分なお出汁がとれたのはやはり天然ならではの強みです。
このすっぽんは廃鶏(採卵期間を終えた雌鳥)と合わせスープにして、しじみのリゾットとのペアリングで。
今回の天然食材調達に関してですが、名前のない料理店の小島さんが完全にバックアップしてくださいました。
小島さんの料理の技術とセンスは言うまでもなく素晴らしいのですが、それに加えて食材に関する知識と経験も豊富で抜群です。
自らつかうモノは積極的にご自分の足で調達に向かい、あるいは生産者側の理解に努めた上で彼ら側にも寄り添うような形をとる動きもされています。
要は料理人の域を超えた活動家でもあり、かなり希有な存在の方でもあります。
まとめ
さて。
Totto’s night を終えて感じたこと、
「全ての食材に命がやどっている」
月並みな言葉にはなりますが、このことが一番大きかったように思います。
動きや表情の見える動物以外の野菜だって、当然ながら生きていて、私たちはその生き物の命をいただいているのだということ。
それは実際に、畑に通い土をさわったからこその改めの学びでもありました。
野菜を仕入れるだけの立場では見ることのできなかった作り手の苦労や想いも少なからず触れることができたのはもちろん、
野菜が育っていく過程のなかで、あまり市場には出回らない状態のモノも美味しく食べられるという発見もまた喜びでもありました。
コースの前菜に使用したタマネギは、Sが芳野さんの畑で植えたモノでそれをごく小さい葉のつけねの状態を調理しています、あの柔らかさと甘みはそういうことです。
あとは、クブシミに添えたローゼルの花もつぼみの状態でつんでオイル漬けにしたものを上にのせました。
それから、「yoshino」と題した野菜だけの一皿。
イベント当日の朝に穫ってもらったフレッシュなモノ達で仕立てました。
今回はそのお皿で、わたし達Tottoから芳野さんに対する最大の敬意と感謝を表現しました。
もうね、
このお皿を運んだ時のお客さん達のリアクションがね。
すごく嬉しかったのです。
とまぁ、
いろいろまだ記録したい想いはたくさんあるのでそれはまた次回に。
当日の様子はTottoのinstagram、ストーリーのアーカイブに残していますので良かったらこちらからどうぞ。